採択された科研費(文部科学省 科学研究費補助金)
立花義裕 (三重大学 大学院 生物資源学研究科)
2019年9月22日 更新

このページでは,自分の研究について記します.
大きく分けて,二つの事柄に分けました.一つは,外部研究資金(科学研究費補助金)について(この項),もう一つは,研究内容そのものについてです(このページの下の方の項).

科研費(文科省 科学研究費補助金)は,数ある競争的研究費の中で,最も公平な基準で採否が決まる(と私は信じている)国の研究費補助金制度です.科研費の採択率は平均3割前後なので,かなりシビアです.私のようなな基礎科学の研究者にとって,科研費は命綱ですが,おかげさまでこれまで割とシームレスに採択を受けてきました.これまでに研究代表者として採択された科研費の一覧を以下に記します.

なお,科研費採択一覧は科研費のwebpageで検索することができます.気になる教授などの採択履歴は,「科研費 ○○大学 △△教授」で検索してみてください.検索することで,その研究者の研究活動を知ることが出来ます.科研費の採否では研究活動度も含めて審査されますので,その研究者の採択件数(をその研究者の研究歴の長さで割った数)は,その研究者の研究活動度の一つの指標になります.
ちなみに私の科研費の採択履歴は (ここのKAKENサイト) に分担者で採択された課題も含め掲載されています.おかげさまで研究分担者としても多くの採択を受けております.これは研究にお誘いいただいた多くの研究代表者さまに深謝です.

研究代表者として採択された科研費の一覧


10)東アジア縁辺海と大気の連鎖的双方向作用とモンスーン変調(webサイト)
研究代表者 立花 義裕
研究期間 (年度) 2019 – 2023
研究種目 新学術領域研究(研究領域提案型)
[変わりゆく気候系における中緯度大気海洋相互作用hotspot](webサイト)

9)革新的洋上ゾンデ観測の提案~水平スキャニングが掴む黒潮前線の対流圏大気への影響
研究代表者 立花 義裕
研究期間 (年度) 2017 – 2020
研究種目 基盤研究(B)

8)北極振動と南極振動の「メタ・テレコネクション」~両半球をつなぐ航路は何か~
研究代表者 立花 義裕
研究期間 (年度) 2016 – 2018
研究種目 挑戦的萌芽研究

7)9個のGPSゾンデ同時放球による海陸拡張型狭域移動観測で詳述される鈴鹿颪
研究代表者 立花 義裕
研究期間 (年度) 2012 – 2013
研究種目 挑戦的萌芽研究

6)縁辺海が大気の擾乱・雲形成・大規模循環に果たす役割
研究代表者 立花 義裕
研究期間 (年度) 2010 – 2014
研究種目 新学術領域研究(研究領域提案型)

5)北極振動によるエルニーニョの予知への挑戦
研究代表者 立花 義裕
研究期間 (年度) 2010 – 2011
研究種目 挑戦的萌芽研究

4)同時・多点・立体観測による、オホーツク海高気圧の力学及び熱力学の解明
研究代表者 立花 義裕
研究期間 (年度) 2006 – 2008
研究種目 基盤研究(B)

3)オホーツク海の海氷へ及ぼすアムール川の影響に関する観測的、数値的研究
研究代表者 立花 義裕
研究期間 (年度) 2000 – 2003
研究種目 基盤研究(B)海外学術調査

2)オホーツク・ベーリング海の海氷と大気大循環との共鳴現象の解明
研究代表者 立花 義裕
研究期間 (年度) 1998 – 1999
研究種目 奨励研究(A)

1)近年のオホーツク海の海氷量の激減の原因の解明、及び大気大循環の変動との関連
研究代表者 立花 義裕
研究期間 (年度) 1996
研究種目 奨励研究(A)

研究内容の詳細(過去の研究テーマと現在の研究テーマ)
2019年8月11日更新
立花義裕(三重大学大学院生物資源学研究科)


研究内容の詳細(過去の研究テーマと現在の研究テーマ)


研究を手法で大別するやり方と、研究の目的で大別するやり方等があると思いますが、手法は目的を達成するための手段であると考え、目的別に列挙します。高緯度の大気循環や雪氷圏に関連した研究が多いように見えますが、成層圏と対流圏との連関やエルニーニョ等の熱帯の研究もやっております。海洋と大気の関連の研究も多いです。小スケールの気象から地球規模の大気循環とその長期的変動の研究もやってます。日本を含むアジア地域の気象はもとより、北極や南極の海氷と気象、アフリカの干ばつなど、地球規模での気象・気候研究を行っています。



これまでやってきた研究で国際誌論文として発表した研究


下記は、論文のタイトルそのものの研究テーマもあれば、いくつかの連作論文の成果を一言でまとめたテーマもある。これら研究テーマは終了した研究ではなく、ほとんどが今現在もやっている(または、やり続けたい)研究です。下記リストが全論文ではないです.思いつくままに記しました.詳細は(論文リストページ)をご覧ください.

  • アフリカサヘルの降水が,中高緯度の大気循環や東アジアの気象に及ぼす影響
  • 冷たいオホーツク海は,太平洋高気圧を強化する.そして梅雨も強化する
  • 太平洋セクターの北極海(チュクチ海)の海氷減少が日本の寒波に影響を及ぼす
  • 南極振動と北極振動の関係
  • シベリアからの「Atmospheric river」が北極上空を熱する
  • 初冬における極渦の季節進行の停滞
  • 同時多点ラジオゾンデ観測による鈴鹿おろしの研究
  • アフリカサヘールの降水の長期変動と全球海面水蒸気フラックスとの関係
  • 三隻同時ラジオゾンデ観測による黒潮前線が大気へ及ぼす影響
  • 近年のシベリア湿潤化と大気場の関係
  • シベリア三大河川の流量の変動と大気場の関係
  • 東シナ海ラジオゾンデ観測に基づく海洋が梅雨へ及ぼす影響の研究
  • 東シナ海ラジオゾンデ観測に基づく大気海洋相互作用の研究
  • 海洋上のラジオゾンデジグザグ観測
  • 勢水丸で観測された乱流フラックス
  • ラジオゾンデで捉えたオホーツク海の極低温域に発生する小高気圧
  • 北極振動とエルニーニョととWPの関係
  • 北極振動やWPパターンに加えて日本海の水温異常が日本の気温に及ぼす影響
  • 北極振動と猛暑の関連性
  • アフリカのサヘールの降水の10年スケール変動と海洋の関係
  • 寒波の研究
  • 夏の北極振動の研究
  • 北極海上での小低気圧の研究
  • 夏のブロッキング高気圧と北極振動の関係
  • オホーツク海高気圧に関連した冷夏の研究
  • 日本海側の降雪や積雪の長期変動
  • 東京の雪の長期変動とEUパターンとの関連
  • 海洋上の下層雲に関する研究
  • 海氷が大気へ及ぼす影響
  • 南極の海氷の年々変動の研究
  • インドシナ半島の温度逆転層の原因についての研究
  • アムール川の流量の長期変動
  • アムール川とオホーツク海の海氷の関連
  • 北極振動がエルニーニョに及ぼす影響
  • 北半球海氷の長期変動
  • 冷夏と北極振動の関係の研究
  • 冬の大気から夏を予測する研究
  • 積雪の汚れとアルベードの関係の研究
  • オホーツク海の海氷の長期変動とアリューシャン低気圧の関連の研究


研究室の卒業修了学生の卒論論文や修士論文で、国際誌への論文発表にはまだ至っていない研究


論文投稿までもう一息という研究のリストが下記です。多くの場合は卒業と同時にその研究が止まってしまうので、追加解析や追試などを行って、いずれは頑張って論文にまで持っていきたいと思ってます。あるいは、これらテーマに興味を持った現役学生が現れたなら、その学生と一緒に追加解析をしてゆきたい研究です。自戒を込めて公表します。国際誌に掲載されてその研究はひとまず完成とみなされるので、これらはいわば未完成研究であります。ここのリストが限りなく少なくなるように努力しないとならないのです。タイトルから研究の独自のアイデアがばれそうなものは、テーマを適当にぼかしてます。卒業学生の増加数とボクの執筆の速さには差があるので,下記リストは全く減らないのが現状です.

学生がどんなテーマの研究をしていたか?については,(メンバーページ)をご覧ください.沢山ありますね.しかも,分野が多岐に亘っていますね.学生にはなるべく本人がやりたい研究をするように勧めているのでこうなっています.先輩の研究を踏襲した研究をした学生はほとんどいません.日頃「他人の真似をするなヨ」.とアドバイスしているからでしょうかね.

  • 気温急変の気候学
  • 黒潮前線を通過する南風がもたらす上昇流と風向変調~
  • オホーツク海の存在が弱める冬季北半球規模帯状平均流
  • 長江の江寛変化は流域降水量に影響する?
  • ブロッキング高気圧の暖候期における増加トレンド
  • 秋雨前線帯の位置と日本周辺の海面水温
  • 成層圏突然昇温とその前後の対流圏変動
  • 三四半球を巡る大気か異様相互作用連鎖
  • 海氷の再現性の高いモデルを用いた北半球気候の将来
  • タイムラプス動画を用いた動的観天望気
  • 北極の海氷の秋から初冬の増加についての研究
  • みらい北極航海でラジオゾンデで観測された小規模高気圧性渦の研究
  • 全球の下層雲の日変化
  • 水蒸気の南半球から北半球への輸送と南北両半球の降水量変動
  • シベリア・ジャパンパターンの変動
  • 気象と3.11地震との関係の仮説
  • 爆弾低気圧の10年規模変動に関する研究
  • オホーツク海高気圧に伴う下層雲の年々変動の研究
  • 全球の接地逆転層気候学
  • 植生が大気に及ぼす影響を診断する新手法
  • ほか


研究室の現役学生の研究で、国際誌への論文の執筆や投稿にもうすぐな研究


下記は、学生が現在執筆中の論文や、もうちょっとで執筆開始が可能であろうと思う研究群です。現役学生達の執筆に葉っぱをかける意味から、あえて公表します。タイトルから研究の独自のアイデアがばれそうなものは、テーマを適当にぼかしてます。

  • 冬季モンスーンによる日本海筋状雲群がもたらす総観規模低気圧の強化
  • 台風の衰弱
  • 2016年1月の日本の大寒波に伴う北極振動の急激な極性反転と北極海氷の減少
  • 昭和20年大豪雪と大冷夏
  • ジュグジュル山脈が生み出すジェットが促進するオホーツク海氷拡大
  • Uターンした台風。どうしてUターンしたのか?
  • 紀伊半島豪雨をもたらした2011年台風12号が西にそれたコースをたどった理由
  • 北極振動の増幅と変調は何故20世紀末に生じたか
  • 伊勢湾の存在が及ぼす冬季の平野部の局地気象
  • ラジオゾンデ比較観測
  • 南極海氷が大気循環へ及ぼす影響
  • アイスコアのダスト変動を用いた気候変動
  • 台風中心付近のラジオゾンデ連続観測