協力研究員1名,研究員1名,博士院生3名,修士院生10名,学部生8名 (学生の研究ページはこちら)
・2023年8月31日:大学院生の天野未空さん(M2)の論文(2010年以降の猛暑頻発・冷夏不発生は、気候のレジームシフトが一因-温暖化に伴うレジームシフトが高気圧と偏西風蛇行を強めた-)がJournal of Climate誌に(論文)(概要)(資料詳細)new
・2023年8月に大学院生の天野未空さん(M2)が日本地球惑星科学連合学生優秀発表賞を受賞(写真)(詳細)new
・2023年5月31日:令和4年度三重大学賞(研究分野)を受賞しました(賞状)(授賞式)new
・2022年12月23日:「豪雪をもたらす線状の降雪帯,JPCZの構造とメカニズムを日本海洋上観測により明らかにした」をプレス発表しました(こちら) リリースと同時にオンラン出版された論文は(こちら)
・2022年11月に大学院生の山中晴名さん(M2)が日本気象学会中部支部研究会の支部長賞を受賞(写真)(詳細)
・2021年5月:「日本やアジアの異常気象の一因がアフリカのサヘル地域の雨雲にあることを初めて解明-アフリカのサヘル地域で大雨が降れば、日本は猛暑に-」(中西友恵さんの修論)がClimate Dyanmics誌に(論文) (概要)(プレス発表資料)(論文解説)
・2021年1月:「低温のオホーツク海は,梅雨と夏の太平洋高気圧を強めている」の論文がJournal of Cliamteに(論文)(概要)(プレス発表資料)(産経)
研究室紹介動画 2012年度版 2014年度版 2019年度版 2021年度版 2022年度版 |
・気象・気候を学ぶために三重大学を受験の場合は,「海洋生物学コース」を受験してください.学科構成がこれまでと変わりました. |
・2019年4月:気象庁・気象研究所の荒木健太郎さんが当研究室のリサーチフェロー(協力研究員)になり「当研究室の一員」に
・2019年4月:「32年ぶりの大寒波は温暖化の影響か?-北極海アラスカ沖に空いた海氷の巨大な穴が作る偏西風蛇行-強い寒波と豪雪は今後も頻発する!?」(概要)(プレス発表資料)Scientific Reports掲載(論文)(朝日)
・2020年11月に修士2年の太田圭祐さんが日本雪氷学会 雪氷研究大会2020 学生優秀発表賞を受賞(写真)(詳細)(受賞コメント)
・2019年2月に「日本の異常気象が遠く南極に関係がある―北極振動と南極振動が一緒に変動を発見―」をプレス発表(概要)(プレス発表資料)(補足資料)Geophysical Research Letters誌に(論文)
・2018年12月に気象庁・気象研究所の荒木健太郎さんが三重大学で博士号を取得「南岸低気圧による首都圏降雪現象の実態解明のための研究」
・2018年11月に学部4年の中西友恵さんが日本気象学会中部支部研究会の支部長賞を受賞(写真)(詳細)
・安藤雄太さん(極渦の季節進が初冬に小休止)がAtmospheric Chemistry and Physicsに(2018年)
・小松謙介さん(シベリアからの大気河川AtmosphericRiverが北極上空を熱する)がScientific Reportsに(2018年)(概要)(プレス発表資料)(資料[114MB])(中日)(産経)(毎日)
・2013年8月にサイエンスカフェ「猛暑はどこから来るのか」でスピーカー(詳細)
地球環境学講座)
2019年9月23日 更新
猛暑や冷夏、寒波や豪雪や暖冬、異常多雨や干ばつ、北極の海氷の減少、地球温暖化。
これら「異常気象」や気候の異常がなぜ起こるのか?気候は、海洋・陸水・気象が融合した「複雑系」として変動するのです。地球の気候システムの長期変動の絡繰りや仕組みを解明・理解することで、地球における気候システムの長期変動の予測制度が向上するのです.人類の地球に対する理解度を深めることにより、人類の文化度の向上に寄与することにつながります.美しき地球、不思議な地球、それらがどうしてそうなっているのか?それらの「さま」が「わかる」こと、それは地球人にとって最も重要なことの一つです。古来から和歌や俳句に気候の「さま」と人とを詠い詠み続けてきたことを思い出そう。
研究室では、気象学をベースとして気候変動・気候変化を理解することを中心課題として研究を行っています。気候とは、様々な気候サブシステムが複雑に絡み合った系の平均的な状態全です.大気・海洋・陸水・植生・雪氷など全てが気候サブシステムです。
研究室ではその中でも「大気」を中心として研究を行っています。なぜなら大気は気候変動の主役であり、人類が最も影響を受ける気候サブシステムの一つであるからです。ダイナミックに変動する大気は、海洋や陸水、植生、雪氷の変動を駆動し、逆に一方ではそれらから駆動され変動しています。大気を気候の主役と考えた場合、気候変動とは日々の気象の積分値の長期変動であると考えることができます。
地球規模での気候異変や異常な気象が「なぜ?」 起こっているのか。この「なぜ?」に対する完全な答えを人類はまだ得ていないのです。それを気象学をベースとして解き明かすこと, それに挑んでいるのが我が気象・気候ダイナミクス研究室です。
2018年夏の異常な気象:観測史上最高の猛暑災害・西日本豪雨・台風
2018年の夏は,観測史上最高の猛暑でした.多くの方が熱中症などで亡くなりました.これは猛暑災害と言っても過言ではありません.また,7月には西日本豪雨が起こり,これまでの「集中豪雨」とは違い,広域の豪雨が特色でした.また,台風も沢山上陸し,関西空港が高潮で水没しました.さて,これらの異常な気象は,地球温暖化の影響なのでしょうか?将来の台風や豪雨はどうなるのでしょう?そして未来の猛暑は?
一方,日本を始めとしたアジアで稲作が発達しているのはアジアがモンスーン気候で雨期(梅雨)があるからです。アジアと同程度の緯度のアジア以外の地域は砂漠などの乾燥的な気候帯となっています.アジアにはどうして雨期があるのでしょう.将来の日本の梅雨はどうなるのでしょう?このような問いの答えを探すのが気象学・気候力学なのです.
温暖化時代なのに,豪雪や寒冬が何故頻発するのか
韓国の平昌で開かれた冬季オリンピックの冬(2017-18年)は異常に寒い冬でした。西日本は約30年ぶりの寒い冬となり,北陸では大雪となりました。実は,最近の冬は、「寒冬」が多いです.2017年のセンター試験の日は三重県北部も豪雪となりました.地球温暖化時代にもかかわらず、どうしてこれほどの寒い冬が頻発するるのでしょう?将来の日本の冬はどうなるのでしょう?
多発する「異常な気象」は地球温暖化に伴う「気候危機」か
上述したように,最近は異常気象が起こることが「普通の状態」となっています.これは地球温暖化が一因との報道が良くなされ,これが人類を脅かす「気候危機」と呼ばれ始めてます.危機を脱するためには二酸化炭素をこれ以上増やさないことは自明です.異常気象には地球温暖化がその一因である場合と,地球温暖化とは無関係な異常気象があります.また,両者の相乗効果が作用した異常気象も存在します.我々気象学者はそれら原因を切り分けたり,どのように相乗効果が生じたのかを解明する研究をしています.そしてその研究成果を社会へ発信し,「気候危機」を正しく社会へ発信しなければなりません.人類の未来に役立つ学問の一つが気象学・気候力学なのです.
異常気象や気候の「なぜ?」に対する完全な答えを人類はまだ得ていない
2016年には台風が逆送し,岩手県と北海道に莫大な被害がもたらされ,イモの主産地の北海道の農地が水没しポテトチップが品薄になりました.また,2011年9月の紀伊半島に大災害をもたらした台風12号。台風はどこまで予知できるのでしょう?そして温暖化時代の台風はどうなるのでしょう?猛暑・豪雨・台風・豪雪・寒冬など,地球の気象・気候には未解明なことがたくさんあるのです。実は、異常気象や気候の「なぜ?」に対する完全な答えを人類はまだ得ていないのです。
気象で決まった放射能汚染分布
2011年3月11日の大地震以降、日本人の「世界観」、「地球観」が一変しました.爆発した原子力発電所からの放射能の大気中への広がりに全国民が注目しました.放射能は、そのときの風によって運ばれ、主に雨によって地上へと落下しました.そのときの気象によって、最初の「汚染」分布が決定したのです.
懸念される電力不足は猛暑かどうかで決まる
その後の原発停止によって、「もし2011年の夏が猛暑だったら、大停電になるのでは?」と懸念されました。幸い2011年夏は、猛暑にならず、大停電にはならなかったけれど、原発停止が続く今後の夏の天候はどうなるのでしょう?大震災以降、夏の気象に多くの国民が強い関心を持つようになりました。また、実は東北地方北部や北海道の電力使用量は冬が最大で、冬の電力不足も懸念されています。これは暖房を使うからです。ですので冬が豪雪・寒冬になるのか?暖冬になるのかは、重要な問題なのです。
異常気象や気候変動は農業・食糧問題に直結
技術が進化した現代ですら、我々の生活は,毎日の気温,雨や雪,風などに左右されています.気象や気候が変われば、人類だけでなく植物や動物にも影響を与えます.作物の取れ具合なども変わります.日本の米作りの歴史は冷害との戦いでした。1993年の冷夏では、米不足になり緊急輸入しました。2003年の冷夏年も米泥棒や米の買い占めが横行しました。気象庁はかなり古い時期から他の欧米諸国に先駆けて3ヶ月予報や6ヶ月予報等の長期予報を行っています。これは米の豊凶予測への社会からの強い要請があったからです。米は日本人の生きる糧そのものであり,豊凶を予知することは最重要な課題でした。それは世界中から食品が輸入されている現代であっても同じです。三重大学の生物資源学部は、その母体の一部が旧農学部です。農業に興味を持って農学系の学問を学び研究を志す生徒も多いと思います。農業の基盤の一つがその土地の気象・気候なのです。地球温暖化で日本の気候はどうなっゆくのでしょう。農業に興味を持っている生徒は気象・気候からのアプローチも考えてみてください。そのようなメニューがある農学系の大学は希有です。
気象・気候変動と水産資源は大いに関係する
三重県の南を流れる暖かい黒潮は世界有数の強い海流で、これは地球規模の風が原因で生じています。黒潮と共に回遊する魚もたくさんいます。黒潮は数年に一度大きく蛇行します。蛇行すると魚の生息場所も大きく変わります。また海水温が変化しても魚たちの生息場所や数が変わります。海上での大気の流れや海上の気温が変われば海流も海水温も変わります.そして海洋の生き物もそれに影響を受けるでしょう.気象の長期の変化とイワシなどの水産資源は関係が深いことが知られています。また伊勢湾などの内海は河川からの流入の影響によってその水質や塩分が変わります。河川流量が増えれば伊勢湾の塩分は下がります。つまり雨が多いか少ないか、という気象によって沿岸の海洋環境が変わるのです。気候が変わると水産資源に影響があるのです。三重大学の生物資源学部は、その母体の一部が旧水産学部です。海洋に興味を持って水産系の学問を学び研究を志す生徒も多いと思います。気候変動に水産資源は大きく影響をうけるかもしれません。地球温暖化で日本周辺の海流や水産資源はどうなっゆくのでしょう。水産に興味を持っている生徒は気象・気候からのアプローチも考えてみてください。そのようなメニューがある水産系の大学は希有です。
異常気象や気候変動は人類の歴史を変えてきた
異常気象や気候の変化は,人類の歴史をも変えてきました.異常気象や,気候変動が誘因で歴史が大きく動いた史実は無数にあります.気候変動が誘因での戦争.だれもが一つや二つの例を思いつくでしょう.異常気象・気候変動による食糧難が幾多の歴史を転換させてきました。気候は人類の歴史を変える.これは間違いない事実です.実はあまり知られていませんが、敗戦の昭和20年は、異常気象の年でした。これは偶然の一致でしょうか。気候変動と個々の史実の関係は完全には未解明ですが、その時代時代の政権の弱体、そして崩壊は、多かれ少なかれ食糧問題とそれを引き起こした気候変動がもたらしていると僕は考えます。気候変動が歴史を変える。おもしろい研究分野だともいますよ。歴史学と理科とのドッキングです。気象・気候ではないですが、3.11の大地震は間違いなく日本の歴史を変えると僕は思います。大災害をもたらす自然現象は歴史を変えうるのです。
人類が地球の将来気候を変えてしまう地球温暖化問題
いま人類は地球の気候を変えようとしているのです.それが地球温暖化問題です.人間の影響がなくても未解明だらけの地球なのです.それを人類がいじくっているのです.ただでさえ予測困難な未来の地球を人間がもっともっと複雑にしているのです。地球環境や地球の気候の将来がどうなるのか?その予測のためには地球の気候システムを理解することが最重要です。気候システムとは、大気・海洋・雪氷・森林などの植生・土壌・陸水などの気候に関連するサブシステムのことです。大気は他の気候サブシステムと接しており、且つそれは地球を巡っているので、すべての気候サブシステムの中でもっとも重要なインターフェイスです。人類は大気圏に暮らしているわけですから、大気のこと、つまり気象の事を理解せずに地球温暖化問題を語ることは出来ません。そのような意味で地球環境を本格的に学ぶための不可欠な分野が気象学・気候学なのです。気象・気候を学ばざる者は地球温暖化問題を公で語るべからず。と言っても過言ではありません。
植生は地球の気候や気象を変える
生物資源学部というネーミングから連想されるのか、植物の生態に興味を持っている高校生が多いと思います。それを研究している人もたくさんおります。地球上の植生分布は、大気の状態、つまり気象・気候が重要です。実は逆に植生が大気や気象・気候にも影響があるのです。例えば森林が無くなると蒸散量が変わります。それによって大気中の水蒸気量も変わりますし、気温も変わります。川の流量も変わります。農業が本格化する前の中国やタイの平野部は昔は森林に覆われていました。いまは大田園地帯です。森林が無かった時代と現在とでは、森林が無くなったことが原因でその地域の気候は気象が違っていたことはもちろん、そこから遠い場所(例えば日本)の気候にも「森林破壊」の影響があったという研究もあります。つまり人工的な植生改変は、地球規模の気候を変えるのです。アマゾンが熱帯雨林気候で、大森林に覆われている理由は、そこが大森林地帯であるからであるという考えもあります。ヨーロッパも産業革命以前から森林破壊が進んでいました。これも遠いアジアの気候に影響があったのかもしれません。自然変動の影響によって植生が変わっても、植生の変化が気候に影響を及ぼすこともあります。このように気象と植生はお互い影響を及ぼし合っているのです。ですので、植物の生態に興味がある生徒は、気象・気候との相互の関係の研究もできます。そのようなメニューがある生物系の大学は希有です。
海洋も気候や気象を変える
生物資源学部には海洋のことを研究する研究室がたくさんあります。ですので、漠然と「海」の研究を三重大でやりたいという高校生も多いことでしょう。海洋生物や海洋化学、海流などに興味を持っている生徒は多いと思います。海が気象や気候に重要な影響を及ぼしているといことが徐々にわかってきました。熱帯の海水温が変化するエルニーニョがおこると異常気象がおこると言うことなどは有名ですね。実は三重県のすぐ南を流れる黒潮が三重県を始めとした日本の気候や気候に影響を及ぼしていることも最近の研究でわかってきました。紀伊半島南部は本州で一番雨が多い場所です。2011年の紀伊半島に大災害をもたらした台風12号。この時の雨も暖かい黒潮からの大量の水蒸気蒸発の影響の寄与が多いと思われます。また、海洋中のある種のプランクトンによって海面の色が変わり、海が吸収する太陽光などの熱エネルギーの収支をかえて、気象に影響を及ぼすという説もあります。海洋生物も気象に影響があるかもしれません。北極海や南極の海の氷、そして日本に近いオホーツク海の海氷も気候や気象に影響があります。北極の海氷が変化すると遠い日本の気象に影響が及ぶという研究もあります。このように気象と海洋はお互い密接に影響を及ぼし合っているのです。ですので、海洋に興味がある生徒は、気象・気候との相互の関係の研究のアプローチもできます。そのようなメニューがある海洋系の大学は希有です。
気象災害から国民の身を守るため、正しい地球温暖化対策のために気象・気候の専門家の活躍が期待される
大震災を含む自然災害・気象災害が多発しています。梅雨末期の大雨による災害、台風。竜巻。異常猛暑。冷夏。干ばつ。そして地球温暖化。これらからの「害」を防ぐには、「害」をもたらす自然現象のメカニズムに精通した専門家が、国、地方自治体、農業漁業関係団体、に多数配備されていることが重要であると考えます。小中高等学校の先生にも、一校に最低一名は気象などの地球科学に精通した先生が必要でしょう。台風や豪雨、異常猛暑などの異常な自然現象を我々は制御できません。ですからそれらを大学時代に専門的に学んだ人たちが全国の自治体に配備され、その時々に応じた住民への適切な指示や、日頃の気象関係の住民への教育が、災害を最低限に抑えることができるるのです。また、三重大で気象・気候を学び、国家公務員や政治家も目指して欲しいです。国の方向性や将来を決める立場の人こそ地球の気候変動や地球全体の環境の知識が必要なのです。気象や気候変動によって利益または打撃を受ける産業は多いです。気象予測によって恩恵を受ける分野もおおいです。気象・気候の専門性を生かす職業は多岐に亘っています。それに対して気象が気候を専門に学習研究できる大学はごく少数です。だからこそ、それを学ぶことは希少価値があり、かつ卒業後にそれを生かして活躍する分野は幅広いのです。もちろん、気象学のプロ、つまり気象学者も目指して欲しいです。
グローバルな気候変動と日本や三重県のローカルな気象・気候とのつながりをグローカルに扱う
われわれは日本、そして三重県に生活の基盤を置いています。広い地球の中でも、とりわけ日本や三重県の気候の長期変動が気になります.しかしながら、日本や三重県の気候は、日本や三重県の大気のみの変動で決定されているわけではないのです。思いもよらない気候サブシステムの変動の影響を受けているかもしれない。それは北極や南極の海氷かもしれないし、赤道の海洋かもしれないし、成層圏かもしれないし、アマゾンの森林かもしれないし、アフリカの砂漠かもしれない。気候はサブシステム同士が複雑に絡み合っていますので,研究対象は日本や三重県などの身近な地域の気象・気候研究はもちろんのこと、地球のありとあらゆるところの気象とそれに関連する気候系がその対象となります。グローバルな視座を常に持ちつつ、具体的な研究の対象はグローバルからローカルまで,「グローカル」なのです。
地球の不思議を知るって、ワクワクするぞ!
僕らの研究室では、研究室の学生たちと一丸となって気象・気候の謎の解明に取り組んでおります。そして、新発見をしたときの喜びを学生たちと分かち合った瞬間が、もっとも楽しいときで、もっともワクワクするときです。気象・気候の謎を解くためには、大気だけではなく、海洋・陸上植生・雪氷・土壌など地球のいろいろなことを知らなければなりません。つまり地球や自然のことを広く深くしることになります。そういう意味で、地球が好き、自然が全部好きという人にうってつけの学問分野だと思います。
気象・気候は不思議で複雑でおもしろい!
太陽は夏に強く、冬に弱い。その年サイクルは毎年毎年ほぼ同じです。毎年訪れる冬。寒い冬もあれば、暖冬もあり。夏も同様。太陽という外部からの条件が毎年同じ年サイクルを繰り返しているのに、どうして毎年違った天候になるのでしょうか?答えられますか?不思議でしょう?温室効果が将来強まり、その影響で将来の地球の気候がどうなるかも当然未解明です。みなさんも身近な気象で不思議なことがたくさんあると思います。実はたいていの気象・気候のことがまだまだ未解明なのです。また、気象衛星の雲画像の動画を見ていてその美しさに惚れませんか?まるで生き物のようですね。天気予報がもっと当たり,将来気候が予知の制度が高まること.そのためには、現象のメカニズムを理解する必要があります。つまり謎解きをすることが予測精度の改善につながるのです。
日本を代表する一流の研究者を有し,気象・気候系の拠点大学の一つ
大気・海洋・水文・陸水・土壌・森林・植生の専門家が一つにコンパクトにまとまっている
練習船勢水丸を使って気象観測ができる
複数のラジオゾンデ同時放球による高層気象観測が可能
計算機やプログラミング、そしてlinuxに強くなる
中京圏や関西圏と意外と近い三重大学
3年生の時に研究室が決まり2年かけて卒業研究をじっくりとできる
所属研究室の決定プロセスは、成績順では決めていない
卒業研究を学会発表ができるレベルになるよう指導する
学会発表等の講演経験を積むことでプレゼン能力が磨かれる
卒論等の研究テーマは学生の希望テーマを最重視
学部教育と大学院教育が一体化しているため、修士課程進学者は4年間かけて、じっくりと研究が出来る
さらに博士課程までも一体化し継続的である
博士取得要件が明示されている
高校で学ぶ「地学」がもし必修科目であったなら、3月11日の大地震に伴う被害者の数は遙かに少なかったはずです。地学を必修としている高校はごく希で、選択科目としている高校でも地学を選択する高校生は非常に少ないのです。さらに悪いことに地学の履修者の減少が甚だしいのです。理科の4科目の中で最も軽視されている科目。それが地学なのです。地学とは地球物理学の略称です。地球物理学とは、地球で起こるさまざまな物理現象のしくみを解明する学問で、地震火山、海流や海の波、そして私の専門である気象など、地球上での「森羅万象」を調べ解明する学問です。
高校地学の必修化を(詳細こちら)
日本は、これら地球物理現象の異常がおこりやすい世界でも希な場所、天災が頻発しやすい場所に位置しています。天災の被害をできるだけすくなくするためにはどうすればよいでしょう?例えば三重県では高校地学を必修科目とするのはどうでしょうか?天災から身を守るために必要最低限の科学的知見が満載の科目。それが地学なのです。天災多発国の日本。地学を必修化し、地球で起こりうる様々な自然現象の基本を理解している国民の数を増やし国民的なボトムアップを図ること、そして各界のリーダーの地球物理学についての知的レベルを上げること。これが長期的視野にたった国や県、市町村の防災の基本でだと思います。(続きを読む)
「流体力学」分野の資料pptの例
1) 学部用流体力学入門編, 2) grad の大きさと向きをベクトルのまま理解、,3) ラグランジユ微分とオイラー微分の関係を理解、, 4) 移流項の理解の仕方, 5)粘性力の理解の仕方、, 6) ガウスの定理の理解の仕方, 7) ストークスの定理の理解の仕方, 8)ベルヌーイの定理の理解の仕方, 9)流線関数と速度ポテンシャルの理解の仕方, 他
気象学、気候力学の資料の例
1) 「温室効果」の正しい理解の仕方, 2) 「温位」の理解の仕方), 3) 「温度風」を、「トルクバランス」を用いて力学の直感で理解, 4) 「高低気圧の発達理論」を、物理の直感で理解, 5) 「渦位保存則」を物理の直感で理解,6) 「ロスビー波の西進」を物理の直感で理解, 7)「波と平均流の相互作用によるジェット気流の加速理論」を物理の直感で理解, 他